◆◇恋文町飛脚◇◆金四阡圓也

(携帯メールアドレス交換 4,000円)

床を共にせし男と女ならば、恋心が芽生ゆるもむべなること。その後の連絡、恋文を飛脚に託すにも、宛先を知らざらば始まらず。さるほどに、幕末になると江戸や大坂など大都市の中での書状の配達を行ふ飛脚業者が生まれき。定飛脚などの町飛脚は、京、大坂などへの遠距離通信専用なりしため、それを利用する人は武士や商人など一部の人たちに限られたりしが、この都市専用の飛脚は「ちりんちりんの町飛脚」、「町小使」などと呼ばれ、御府内地域別の料金に営業しき。庶民、武家を問はず気軽に利用せらるるものなりきめり。小型の挾箱を棒に担ぎ、その棒の先には風鈴が付きたりて、その鈴の音が飛脚利用者への合図となりたりき。

(現代語訳):ベッドを共にした男と女であれば、恋愛感情が芽生えるのも当然のこと。その後の連絡、ラブレターを飛脚に託すにも、宛先を知らなければ始まりません。さて、幕末になると江戸や大坂など大都市の中での書状の配達を行う飛脚業者が生まれました。定飛脚などの町飛脚は、京、大坂などへの遠距離通信専用であったため、それを利用する人は武士や商人など一部の人たちに限られていましたが、この都市専用の飛脚は「ちりんちりんの町飛脚」、「町小使」などと呼ばれ、御府内地域別の料金で営業しました。庶民、武家を問わず気軽に利用出来るものであったようです。小型の挾箱を棒で担ぎ、その棒の先には風鈴が付いていて、その鈴の音が飛脚利用者への合図となっていました。